当サイトでこれまでも何度も申上げている通り、敷金は返ってくるお金です。
しかし、主に西日本では「敷引き」・「解約引き」と呼ばれる特約が結ばれていることが多く、故意・過失がないにもかかわらず、敷金の一部が返還されないこともあります。
敷引きされる金銭の性質は?
借主であるあなたと、大家さんの間で「敷引き」をされる金銭(敷引金)の性質については、明確な意思がない場合、以下の様々な要素等が一体となったものとして捉えられていることが多いようです。
- 賃貸借契約が成立したときの謝礼金として
- 賃貸目的物の自然損耗の修繕に必要な費用として
- 賃貸借契約更新時の更新料の免除の対価として
- 賃貸借契約終了時の空室賃料として
- 賃料を低額にすることの代償として
そもそも敷引き特約は有効なのでしょうか?
主に西日本で多く見受けられる「敷引き」ですが、その有効性について裁判所はどう考えているのでしょうか。
実は、敷引き自体は過去の裁判においてもある程度の有効性が認められています。それは、契約時に敷引きに関して承諾をしたことに起因するのですが、その一方で、最近では裁判所はこの敷引特約は、賃借人の義務を加重するものとしても捉えています。
その理由として、
「賃借人が負担する金銭的な義務は、賃料以外のものを予定していないと解されること」
「敷引特約は確立されたものとして一般的に承認されているということはできないこと」
上記2点を挙げています。
さらに敷引金を構成する上記5つの要素を、「賃借人の義務を加重し、一方的な負担を負わせるもの」として、「正当な理由を見出すことができない」としています。
また、敷引特約はあらかじめ付されているため、賃貸人が賃貸業者等と交渉して、敷引特約を排除することは困難であるとしています。
このような理由から、敷引特約は賃貸人の利益を一方的に害するものとして無効であるとしています。(神戸地裁H17.7.14、大阪地裁H.17.4)
この判断の移り変わりは、平成13年に施行された消費者契約法が大きく影響しています。
これまで一定の範囲内の敷引特約は有効とされていたのですが、同法の施行により、限度を越えた高額な敷引特約は、消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項は無効であるという定め)に該当するため、無効と判断されるようになってきたのです。
実際に私共が受任した案件でもバッチリ敷引き特約がありましたが、内容証明を出しただけで敷金の全額返金を受ける事が出来ました。
敷引き特約を盾に、高額の敷引き要求をされている方は、是非あきらめずに上記の点を主張されてはいかがでしょうか。






