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111,000円の返還がありました。

基本データ

  • 居住地:熊本県
  • 契約年数:10年11ヶ月
  • 年代・性別:30代男性
  • 敷金:111,000円(全額未返還の上に、逆に不足分として約35,000円を請求されている。)

経緯

当ケースのお客様は、敷金の返還がないどころか、追加で不足分として35,000円程度を請求されており、かなりご立腹の様子でした。

しかも、退去の際に立会いもされず、修繕箇所・費用についての説明を受けることなく、更には承諾書等に署名・捺印等を一切していない状況で、突然このような精算書を送られたことも、心情的に許せなかったのだと思います。

当ケースのお客様は、ご自身でも勉強されていて、当初、ご自身で不動産業者に電話にて交渉をされていました。「国土交通省が定める原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の規定を持ち出し、返金額について納得がいかない旨を説明するも、先方からは「ガイドラインは法律じゃないから関係ない」と一蹴されてしまったとのことで、当事務所に内容証明作成のご依頼がありました。

いつも通り、当事務所で解約清算明細書と契約書を確認したところ、ツッコミどころが満載な内容でした。

まずは、解約清算明細書に記載されております各種ハウスクリーニング費用、クロス張替等美装費用及び鍵取替の費用等、本来貸主が負担すべき費用項目についてはその負担義務がない点を主張しました。(退去時の通常範囲の清掃は借主負担であることを理解していると述べた上で、退去時にきちんと通常範囲の清掃を行っており、別途請求される謂れはないと主張しました。)

国土交通省が定める原状回復をめぐるトラブルとガイドラインの規定に基づくと、当該特約のような賃借人に不利な特約は、無効になるとさされています。契約書では、正に本来貸主が負担すべき費用を借主へ負担させる内容がバッチリ書いてありましたので、同ガイドラインに鑑みて無効だと主張しました。

また、この不動産業者が「ガイドラインは法律じゃないから関係ない」と言っていた旨をお客様から聞いていましたので、この特約が「借主に不当に義務を加重する特約」であり、借地借家法に抵触している旨を指摘しました。

その上で、解約清算明細書に記載されていた各種ハウスクリーニング費用、クロス張替等美装費用及び鍵取替の費用に関してはお支払出来ないので、お預けていた敷金111,000円全額の返還を請求いたしました。

結果

内容証明郵便1通で、残金111,000円全額の返金を1週間以内に受けることに成功。
不動産業者からのお客様への電話連絡等も特になく、全額返金を受けたことで決着しました。

今回の件は、敷金返還に関する内容証明で効果を発揮する「消費者契約法」の規定が使えませんでした。

当初、居住年数が長いと聞いていたので、「まさか・・・・」と思ったのですが、見事に居住年数10年11ヶ月!契約日が1999年でした。消費者契約法は、2001年4月からが施行されたので、契約日が2001年3月以前の契約に関しては適用がありません。

今回は、ガイドラインと借地借家法による主張で先方さんがすんなり認めてくれたことで無事全額返金となりました。

不動産業者さんも、自身では請求できない金額であることは今回わかっていたと思います。

未だに「知らない人からは取ってやろう」という態度が見え隠れするのですが、今回は「知っている側」になってお客様にも喜んで頂けたので良かったです。

お客様より一言

渡邉先生

無事敷金全額返還されました!
お力添えありがとうございました。
本当に敷金は戻ってくるもんなんですねー。
自分で実際にやってみてすごく勉強になりました。

内容証明を出したかとも人生初だったので、不安もありましたが、法律の力を感じました。
また何かあった時はよろしくお願いします。この度は、本当にありがとうございました。

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