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敷金奪還マニュアル

実際にどうやって敷金を返還してもらうのか?現場のノウハウを公開します。

なぜ敷金トラブルは起こるのか?

敷金トラブルは何故無くならないの?

敷金に関するトラブルは消費者センターに持ち込まれる相談件数の中で毎年上位にランクインしています。
なぜ、無くならない(減らない)のでしょうか?

私が考えるトラブルの原因

  • 大多数の消費者(借り主)は裁判の傾向、ガイドラインの内容など熟知していないでしょう、借り主の無知に付け込んで敷金を返さないようにしたいという本音が見てとれます。
  • なぜそんなに返したくないのでしょうか?近年では賃貸物件の過剰供給が叫ばれています、相当空室に悩んでみえるオーナーさんも多いわけです、次の部屋の貸す為のリフォーム費用を退去する人に負担させる事ができたら単純に賃貸経営が楽になるわけです。(一昔前まではそれが当たり前に行われていました)
  • 私なりの意見ですが、個人で賃貸経営をされている大家さんは、トラブルなど起したくない。と考えている方が多いように感じますが、問題は管理会社がいつまでたっても入居者に少しでも負担を被せたいという動きばかりしている事だと思っています。不動産賃貸管理をしている会社が近時の判例やガイドラインを知らないはずがないのです。私は消費者の味方として声を大にして言いたい事があります。
  • どんなに大手で爽やかなテレビCMをやっていても、裏では敷金という呼び名を変えて判例をあざ笑うように契約書を自分達(管理会社)に有利につくり変えていつまでたっても「自然損耗を賃借人に少しでも負担させてやろう」「定額の分担金だから払え」というような事をやっている訳です。私は相当程度の相談件数の中で多数の会社の賃貸借契約書を見てきましたが「知らないヤツからは金をとってやろう」という意図がみえみえのものが多すぎです。
  • これを読んでいただいた方でこれから賃貸借契約を結ばれる方は爽やかなCMのイメージだけに騙されないように気をつけていただきたいです。もしこれからアパートを契約するのだけど、自分が結ぼうとしている賃貸借契約書の内容がよくわからなくて不安だ。という方はご連絡いただければ無料で精査致します。
  • また、自分はトラブル無用のルールに沿った賃貸借契約書を作りたいんだ!というオーナー様・大家様が見えましたら喜んでお作りしますので、ご連絡下さい、今の世の中コソコソ賃借人に負担を押し付ける契約書を使うよりも「ウチはガイドラインにのっとった契約書を使っています!と宣伝したほうがよっぽど借り手も安心してあなたのアパートに住めるでしょう。

退去の立会い確認書にサインをしてしまった

敷金をめぐってトラブルになった時に不動産屋は高確率で言う事があります。「あなた精算に納得してサインしてるじゃないですか」確かにサインをした事は事実でしょう、しかしキチンと納得しての事でしょうか? (続きを読む…)

単価や平米に注意!

敷金精算において大切な事

工事費用の算出において気をつけなければいけないのは「何を請求されているか」だけではなく「何をいくらで請求されているか」という事です。

 

  「クロスの張替えに関しては○○%しか負担義務がない」と主張したとして、それが通っただけで安心ですか?例えばクロスを平米単価900円で張替え可能なのにもかかわらず1,300円(単価)とかで請求されていれば表面上業者がルールに沿っているように見えても実は不相当にあなたに負担を被せている可能性もあります。 (続きを読む…)

ルームクリーニング費用 

退去時のルームクリーニング費用について

 必ずと言っていいほど、特約として契約書に記載されているルームクリーニング特約ですが、国土交通省のガイドラインでは以下のように規定されております。

 全体のハウスクリーニング(専門業者による)
 (考え方) 賃借人が通常の清掃(具体的には、ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)を実施している場合は次の入居者確保のためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる。

 さらに以下のようにも記載がなされております。

 Q 賃貸借契約にクリーニング特約が付いていたために、契約が終了して退去する際に一定の金額を敷金から差引かれました。このような特約は有効ですか。

 A クリーニング特約については①賃借人が負担すべき内容・範囲が示されているか、②本来賃借人負担とならない通常損耗分についても負担させるという趣旨及び負担することになる通常損耗の具体的範囲が明記されているか或いは口頭で説明されているか、③費用として妥当か等の点から有効・無効が判断されます。

 クリーニングに関する特約についてもいろいろなケースがあり、修繕・交換等と含めてクリーニングに関する費用負担を義務付けるケースもあれば、クリーニングの費用に限定して借主負担であることを定めているケースがあります。
 後者についても具体的な金額を記載しているものもあれば、そうでないものもあります。

 クリーニング特約の有効性を認めたものとしては、契約の締結にあたって特約の内容が説明されていたこと等を踏まえ「契約終了時に、本件貸室の汚損の有無及び程度を問わず専門業者による清掃を実施し、その費用として2万5000円(消費税別)を負担する旨の特約が明確に合意されている」と判断されたもの(東京地方裁判所判決平成21年9月18日)があり、本件については借主にとっては退去時に通常の清掃を免れる面もあることやその金額も月額賃料の半額以下であること、専門業者による清掃費用として相応な範囲のものであることを理由に消費者契約法10条にも違反しないと判断しました。

 他方、(畳の表替え等や)「ルームクリーニングに要する費用は賃借人が負担する」旨の特約は、一般的な原状回復義務について定めたものであり、通常損耗等についてまで賃借人に原状回復義務を認める特約を定めたものとは言えないと判断したもの(東京地方裁判所判決平成21年1月16日)もあり、クリーニング特約が有効とされない場合もあることに留意が必要です。

 借りている側がキチンと掃除をした場合には、「それ以上の義務は負わない」のが原則です、と正確に説明をした上で「それでもあなたがクリーニング費用を負担するのです」と分かるように説明しているケースは少ないのではないでしょうか?

 クリーニング特約が記載された定型の契約書を読み進められて、「サインをして下さい」と言われてサインをしたという方が99%なのではないでしょう?

 本来的には貸主が負担すべき範囲であったり、クリーニング費用がどの程度かかるのか検討もつかない賃借人にサインをさせたから全てその通りであるという主張は、消費者契約法の趣旨を理解していないと考えます。

 また、クリーニング費用に関しては、金額を業者が一方的に決めているという部分があります。

 法外な金額を請求されるケースもあり、注意が必要です。

 
 

 

賃借人に特別の負担を課す特約

賃借人に特別の負担を課す特約について

 

特約の要件
 ①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
 ②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
 ③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

 特に、最高裁判例では、「建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払いを受けることにより行われている。

 そうすると、建物の賃借人いその賃貸借において生ずる通常損耗及び経年変化についての原状回復義務を負わすためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗及び経年変化の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の通常損耗補修特約が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である」との判断が示されている。

 また、消費者契約法では、その第9条1項1号で「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額の予定」等について、「平均的な損害の額を超えるもの」はその超える部分で無効であること、同法10条で「民法、商法」等による場合に比し、「消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする」と規定されている。

 したがって、仮に原状回復についての特約を設ける場合は、その旨を明確に契約書面に定めた上で、賃借人の十分な認識と了解をもって契約することが必要である。また、、客観性や必要性については、例えば家賃を周辺相場に比較して明らかに安価に設定する代わりに、こうした義務を賃借人に課すような場合等が考えられるが、限定的なものと解すべきである。

 なお、金銭の支出を伴う義務負担の特約である以上、賃借人が義務負担の意思表示をしているとの事実を支えるものとして、特約事項となっていて、将来賃借人が負担することになるであろう原状回復等の費用がどの程度のものになるか、単価等を明示しておくことも、紛争防止のうえで欠かせないものであると考えられる。

 平成23年国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 再改定版 の原文を引用

 通常損耗・経年変化の概念が無い(知識量や情報量が不足している)賃借人に一方的に契約書を読み進め、理解をしていないのに「納得してサインをしただろう」と言い放つ貸主もいます。

 本来は貸主が負担すべき費用を「あなた(賃借人)が負担して下さいね」と、契約条項を明確に認識できるようになっているでしょうか?

 レンタカーを借りて、代金(賃料)を払っているのに、返却する時に「タイヤがすり減った」「ウォッシャー液が減った」「オイルが減った」「車体が少し色褪せた」と費用請求される事はありません。

 もちろん、自分の故意や過失で車に傷を付ければ、返却時に弁償が必要でしょう。

 しかし、賃貸で部屋を借りる場合には、上記のレンタカーで言う所の「タイヤがすり減った」「オイルが減った」「車体が色褪せた」などの当然の事(クロスの日焼けや、床に使用感がでる)に関しても借りている側に負担させようとする特約が蔓延しているのです。

 

 

エアコンの高圧洗浄

エアコンの清掃費用は誰が負担するのか?

 ルームクリーニング特約に関してはほとんどの賃貸借契約書で借主が負担すると規定されているようですが、併せて請求される事が多いのが、エアコンのクリーニングでしょう。

 国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは以下のように規定がされました。(平成23年の改定により)

 喫煙等による臭い等が付着していない限り、通常の生活において必ず行うとまでは言い切れず、賃借人の管理の範囲を超え

ているので、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる。

敷金奪還お勧めの書籍

敷金返還の為のお勧め書籍

 敷金の公平な返金を受ける為には様々の方法がありますが、一番コストをかけずに公平な額を算出する為にはやはり自分で公平な額を算出するという事に尽きます。

 以下は当事務所がお勧めする書籍です。

 また、当事務所が作成しました一人でできる敷金返還術も是非ご利用いただければと思います。

網入りガラス(窓)の割れ

網入りガラス窓の割れ

 網入りのガラスが自然と割れていたのに、退去時に交換費用を請求されるという事例が多いです。
 借りている側としては何もぶつけたりしていないのに、数万円も交換費用を請求されてたまったものではありませんね。
  「網入りガラスは非常に割れやすいのです」
 原因としては以下のような事が言われております。

     
  1. 窓ガラスに密着したカーテンとの間に「熱だまり」ができ熱膨張率の差で割れる
  2. 元々、一般のガラスより強度が低い為割れる
  3. 冬場に太陽の光線が当たった時、網自体は鉄なのでガラスよりも早く膨張し、ガラスが耐えられずに割れる
  4. 鉄製の網が結露でサビてしまい膨張しガラスが割れる

などです。(他にも理由はあるようです)

故意(わざと)過失(うっかり)が無い以上は、交換費用を負担しなくてよいというのが原則であり、公平です。

あなたは、普通に生活していただけなのにいつの間にか割れたガラスの交換費用を請求されていませんか?

網入りガラスが上記のような理由から割れやすいという事は、大家さんや管理会社の社員であっても知らない事があります。

 

 

仲介手数料を攻めよ!

不動産屋さんに物件の紹介・斡旋をお願いした場合には発生する料金を「仲介手数料」と言いますが、この仲介手数料、契約の際にいくら支払いましたか?

宅建業法におきましては、仲介手数料の上限は、家賃月額の2分の1までと定められております。(居住用宅地建物の場合)

借主の承諾がある場合には、1か月分の仲介手数料を取っても良いことになっているのですが、現状では強制的に家賃1か月分の仲介手数料を取ることが横行しております。(承諾しないと貸してくれないので、強制と言って良いでしょう。)

その為か、「仲介手数料は家賃1か月分!」って何だかキャッチコピーのように、盲目的に信じ込まされている人が非常に多いですし、このページを読んでいるあなたも、実際に家賃1カ月分の仲介手数料を支払ってはいないでしょうか。

知らずに部屋を借りた方としては腹立たしい事実ですよね。
しかし、実はここに敷金返還において、「つけいる隙」があるのです。

仲介手数料半月分など、実際は今更返ってこなくても良いのですが、

こちらの承諾も説明も無しに1か月分の仲介手数料を取ったから、仲介手数料も半月分返せ!

というスタンスを取りながらも、「敷金を全額返してくれたら、この仲介手数料はまけてあげる」と歩み寄ることで、より確実な敷金返還を受けることが可能になります。

悪徳不動産屋のスタンスを知る

敷金返還マニュアルの第一歩は、「悪徳不動産屋のスタンスを知る」ことです。

悪徳不動産屋の基本的スタンスは「取れる人(知識の乏しい人)から取る」です。

取りあえず全員に、

「敷金は返せません。」
「敷金ではこれだけ不足するので、追加で支払ってください。」

と、言い放ち、

払う人から取れたらもうけもの。うるさいこと言って来たら返そう・・・

と、考えています。(なかなかの悪徳ぶりですね。)

つまり、一般の方は、完全に悪徳不動産業者になめられている!わけです。

では、そうすれば良いのでしょうか?

簡単なことです。
敷金返還に関する知識をほんのちょっとつければ良いだけです。

悪徳不動産屋は、自分より弱い者(知らない人)には強いのですが、自分より強い者(知っている人)にはすこぶる弱いです。専門家が間に入った途端に、「敷金を全額返そう」というスタンスにコロッと変わることが、それを物語っています。

あなたも必要最低限の知識を身に付けることで、なめた悪徳不動産屋のスタンスをひっくり返してやることができます。

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